文章を書くのが苦手な元Jクラブ広報が、スポーツの可能性を信じて、千葉県柏市で立ち上げた新しい事業。スポーツによってつながることで、新しい価値を生み出すことを目的に、2022年5月にコネスポを設立した。
スポーツは、人々の心身の健全な発達や、豊かな生活を送るために、必ず必要な存在である。これは、私自身が子供のころからサッカーをプレーしているとき、公益財団法人日本サッカー協会と浦和レッズで働いているときにも感じていた。
「なぜ今、スポーツに関わる事業?」というと、スポーツ界は大きなターニングポイントに来ているからだ。一年前、浦和レッズを退職すると決めるまで、スポーツ界で働いていたにもかかわらず、ほとんど気づいていなかった。
ひと昔前と比べると、少子化や公園でのボール遊び禁止などの影響でスポーツができる環境の減少や、中学校の部活動を地域に移行するという政府方針が発表されるなど、子供を取り巻くスポーツ環境が大きく変わろうとしている。環境や社会情勢が大きく変わり、新しい需要や課題が生み出されることで、新しい取り組みや事業が始まるきっかけになることが多い。まさに、今のタイミングでなければ挑戦しようと思わなかったはず。
首都圏のほぼすべての公園は「野球・サッカー禁止」(AMP News)
日本のスポーツは、主に「地域のスポーツ少年団」や「学校での部活動」に長年支えられてきた。ボランティアや低価格な月謝で運営されているスポーツ少年団は、子供がスポーツを始めるきっかけとして、非常に重要な役割を果たしてきた。そして、中学校の部活動もスポーツ少年団同様に、新たなスポーツにチャレンジ、スポーツを継続できる場所として、スポーツの普及や競技レベルの向上、健全な青少年育成に貢献してきた。これは、間違いない事実である。
その仕組みが、変わろうとしている。いや、変わろうとしているというよりは、変わらなければいけない状況であるのは間違いない。
中学校での部活動は、「スポーツが体育教育の一環という考え方」があったからこそ、これまで教員が生徒のスポーツ指導を行ってきた。しかしながら、近年の働き方改革や教員の負担増加が社会問題となり、スポーツ庁が今年6月に部活動を地域に移行する方針を発表した。政府方針だと、地域で活動しているスポーツクラブや地域のボランティア指導者などを想定している。
大前提として、教員の労働環境を改善するための議論には賛成であるが、この発表には多少の違和感があった。そして、政府検討会の資料や有識者の意見を調べていけばいくほど、その違和感は大きくなってきた。
部活動が地域に移行できたとしても、もし地域のスポーツクラブや指導者が教員と同じような状況に陥った時に、日本のスポーツは終わりを迎えてしまうのではないだろうか。
部活の地域移行時期を柔軟化 文科省、25年度達成こだわらず(Yahooニュース)
スポーツ庁は、将来の日本スポーツを本当の意味でどうしていきたいか、まず議論するべきだと思う。その目標があった上で、一つの方法が部活動で専門的な指導を受けられるようにするための地域移行という結論であれば全く問題ない。しかしながら、教員の負担を軽減することを最優先事項として、地域移行の議論が進んでいるのではないか。
この問題に気づいた時に、自分を育ててくれたスポーツ界を少しだけ良い社会にできたらと思い、この事業を始めた。
スポーツに関わる制度や社会情勢が変化している今、何か新しい取り組みが必要だと考えている。